[こうやのしょうせつ(毎週土曜日更新) 燐による小説かもしれないもの]
〜孔弥の視点から見たSaGa-Millの小説〜
第四話
先見のビト
先見のビト



序章


「ねぇ、私達って本当に友達なのかな?」

「え?」

「私達って友達かって聞いてるの、答えてよ、ね、綾」

屋上に響く淡々とした言葉、いつもはとても品のある綺麗な声はもう余命いくばもない

病人がはなつ弱々しく覇気が感じられない声にしか聞こえなかった。

「答えられないってことは私達やっぱり友達じゃないんだよね・・・」

「そ、そんなことはないよ!!私と里佳は友達だよ!!・・・ううん、親友だよ!!」

私は慌てていうがそれがいけなかったのか、彼女は私の慌てぶりをみてますます表情に影がはしる。

「綾、やっぱし無理してる、私といるときの綾ってどこかよそよそしいんだよね。
やっぱし、私のような女の子、綾、嫌いなんだよね?」

「違う!違うよ里佳!!私はほんとに貴女のこと友達だと――――「嘘っ!!」えっ!?」

私の言葉がいい終わらないうちに里佳は大声が屋上に響く。

私はおもわず言葉をいうのを終わらせてしまった。

里佳は私のことを鋭く睨みつけていた、その瞳には深い悲しみが見え隠れしているように見えた。

「それ・・・嘘だよね?綾・・私の一緒にいること嫌がってる・・・」

里佳は相変わらず屋上の手すりに身を任せてしゃべっている、もう少しよりかかったら落ちてしまうほどに。

「ねぇ、里佳、私、あなたのこと嫌ってないよ?ほんとだよ!!」

私は必死に里佳に弁解する、しかし里佳はなんで私がそういう風に思っていると感じたのだろうか?

私は弁解しながらも必死に頭の中の記憶をたどるがそんな風にいった記憶はなかった。

「もう・・・いいよ・・・私、もう、疲れた」

そういって里佳はてすりをよじ登る。

そして次の瞬間、里佳は、落ちた。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!」

私は声にならない悲鳴を上げその場に崩れ落ちてしまった。

薄れゆく意識の中で誰かが屋上のドアを開ける音が聞こえたが、そのときの私はそれに気付く余裕はなかった・・・。









気がついたら保健室のベットの上に私は寝かされていた。

頭が朦朧としていて状況がよく思い出せない・・・たしか放課後に親友の水瀬 里佳に呼び出されてそして・・・。

「そうだ!!里佳は!?」

慌てて辺りを見るが保健室には保健室の先生も姿が見えなかった。

私が呆然としているとドアが開き、先生と飛び降りたはずの里佳と、里佳と私とよく一緒に遊菅坂 絵里が入ってきた。

「え・・・!?」

私は里佳の姿を見て開いた口がふさがらなかった。対して里佳は不思議そうな顔でどうして私がそんな顔をするか理解できていないようだった。

「どうしたの綾?里佳の顔に何かついてんの?」

私の顔をみて不思議に思ったのか絵里は里佳と私、双方の顔を見ながら聞いてきた。

「え・・・だって里佳・・・なんで!?」

そういいながら私はベットから半身をあげた。

「なんでって・・・貴女と私と絵里の三人で屋上で話してたら貴女が急に気絶をするんだもの、びっくりしたわ」

私が気絶・・・?しかも三人で?いや、ありえない。

あの時・・・たしかに屋上にいたのは私と里佳の二人きりだった。

「で・・・私がどうかしたの・・・綾?」

里佳は基本的に優しく気の回る性格なのだが時折、少々威圧的間ある瞳を向けるときがある。

主に自分に何か都合の悪いこととかを聞かれたときにする瞳・・・その瞳を見ると私は何故か反抗できなくなる・・・今だってそうだ。

「ううん・・・なんでもない・・・あのさ」

私がいつものように彼女の威圧間ある瞳に屈服したがこれだけは聞きたいので聞くことにした。

「何?」

「私達ってほんとに三人で屋上にいた?」

「「いたわ(よ)」」

聞くのと同時に二人から即答で答えがかえってきた。

「きっとまだ意識が曖昧で混乱してるんでしょう、佐藤さん、まだ横になったほうがいいと思うわ」

今まで私達の会話を黙って聞いていた保健室の先生が始めて口を開いた、が、もう時刻は七時を過ぎようとしている。

最終下校時刻を過ぎようとしていた。あまり帰るのが遅いと母に説明するのが面倒だ。

もう、帰ろう・・・きっとさっきのことは悪い夢だったのだろう・・・私はそう思うことにした。

しかし、それは甘い幻想なんだということに私はすぐ気がつくこととなる。

「親に説明すんの面倒なんで帰ります」

「そお?あまり無茶はしないでね」

ある程度予想はついたのか先生はさしたる注意はせずに私の要望をうけいれてくれた。

「さあ、そうときまったらさっさと帰りましょう」

里佳が私に手を差し出した瞬間私は気付いてしまった。

里佳の手首あたりのYシャツが屋上の手すりの赤錆が若干付着していることに。

あれは・・・夢ではなかったのだ・・・。




幕間

いつ頃からだろう?私が人を信じなくなったのは?

周囲は私に冷たく、もう私は死ぬしかないと思ってたときに出会った最高の友人。

彼女を私だけのものにしたい、彼女の瞳に私しか映らないようにしたい。

神様、これから私がおこなうのはけして許されないことだとは思います、でもどうかこのような方法でしか彼女の気をひくことができないこの哀れな子羊を許してください。

このような方法でしか私は彼女を私の物にするしか方法は見当たらないのだから・・・。








第一章〜予言〜


翌日の朝、私はいつもよりも遅めに起きた。

理由はいうまでもない、昨日のことが気になって気になって中々寝付けなかったのだ。

ようやく寝付けたのは朝の三時頃、青春を謳歌すべき私の年頃としては肌に悪い。

私はいつもより念入りに顔を洗顔し、遅い朝食を食べ、学校に向かう。

しかし、この時間だと私の家から学校まではいつものように歩いていては間に合わない。

私はまだ目覚めない身体に鞭を打ち、遅刻をしないために学校までマラソンをする破目になってしまった。





「どうしたの綾?いつもならこんなに遅くなることは無いのに」

私が教室のドアを開け、息を切らしながら教室にはいり自分の席に座るとクラスメイトの二ノ宮 慧(こんな名前でも女性だ)が話しかけてきた。

「ちょっと寝坊しちゃってね〜・・・まあ、たまにはこんな日もあるわよ」


私は昨日のことで幾分気分がよくなかったのだろう、自分でも驚くくらい冷めた口調だった。

眠いために机に突っ伏してHRを寝てすごそうかと思ったとき、慧の言葉に私は眠気が吹き飛んだ。

「水瀬さんも遅刻したようだしね〜綾は何か事情は聞いてない?」

・・・その言葉を聞いたとき私には後の友人の言葉は聞いていなかった。

私の頭の中には里佳がなんで遅れたのかをずっと考えていたからだ。

おかげで私は当初の目的とは違う形でHRを聞き逃してしまった・・・おかげでこのあと私は自分の身におこる不幸を自分から招くことになる。


「・・・はぁ・・・」

「どうしたの?綾、今日元気ないじゃん」

昼休み私はそれまでの授業を上の空ですごしていた。

お弁当を食べなければいけないのだが広げたまま私は手をつけていなかった、昨日のことを考えていて食べる暇がなかったのだ。

「ちょっとね〜・・・って慧、あんたなんで私の机で弁当を広げつつ私の弁当を食べているの?」

「ん、いや、だって、この唐揚げおいしそうなんだもん」

そういいながら私の唐揚げを食べる慧、他にもいろいろおかずをつまみ食いしていた。

「ってあんた!!私のお弁当のおかず、半分なくなってるじゃない!!あんたのお弁当のおかずも半分私によこしなさい!!!」

「いやだ!!これはあたしのだ!!」

そういってお弁当を箸でガードする慧、だが懐が甘い!!

「あ〜!!!私の蟹コロッケがぁ!!!」

「へぇ、中々おいしいじゃない、慧のお母さん料理うまいんだ?」

「違うわよ!それはあたしが作ったの!!」

これは驚きだ、まさか慧が料理を作れるとは・・・。

いつもがさつで男勝りで噂ではこの町の男子校の不良に絡まれたとき返り討ちにしてしまっとかしてないとか・・・とにかくそんな噂が
絶えない慧が料理とは・・・正直意外だ。

「何よ、その目は?」

「いや、べつに」

「ぜ〜ったい今綾意外だとか思ったでしょ!!!そんな失礼な考えをもつ子はこうだぁ!!!」

そして箸を私の弁当に照準をむける!また唐揚げが減る!させるかぁ!!!

そうやって平凡(?)な昼休みは過ぎていった。

「綾・・・」

しかしそれを教室の隅から私の名を呟いた里佳の存在に私は気付いていなかった・・・。


「はぁ・・・」

昼休みが終わったあとも私の頭の中は昨日のことが離れず私は学校が終わったあと一人で町をぶらぶらしていた。

「ってあれ?ここ・・・どこ?」

さまよっているうちにどうやら随分町外れのほうにきてしまったようだ、周囲にはスナックが少数他に路地裏で占いという看板がいくつもたっていた。

「占いか・・・ばかばかしい」

私は占いなどというものは信じない、だって運命は自分で切り開くものだと信じているからだ。

「ほんとにそうかな?」

私の後ろで声がした、振り返ってみると占いという看板をたて、その横に机と椅子、そして水晶球が一つといういかにも占い師という人がいた。

「・・・何かいいましたか?」

「うん、いったよ、君は運命は自分で切り開くという答えに私はほんとにそうかな?といったんだよ」

私は知らず知らず考えを声にだしていたのだろうか?無意識のうちに右手が口元にいくがもう遅い。

「私、占いは信じないので」

「まあまあ、そういわない、いわない、無料で君の運勢を占ってあげるからさ」

そういいながらおいで、おいでと手を振る占い師・・・スカーフを頭まで被っているので顔はよく見えない、声も男とも女ともとれる。

「そういってあとからお代金頂戴とかいっても無理だからね」

「なんでだい?」

「録音しといたから」

そういって私はポケットにつこっんでいた右手をだし一緒にただいま録音中の携帯をだした。

「そうか、ボイスメモか、最近の携帯は便利になったものだねぇ」

あくまでマイペースな占い師、どこか掴みどころが無い・・・こういう人はあまり私は好かない。

「はやくしてくれませんか?私、急いでるので」

「そうかい?私には随分と君が悩んでるようにみえたけどね・・・そう例えば・・・死んだはずの人間が何食わぬ顔で
君の前に現れた・・・とか」

「・・・!?」

私は占い師の言葉に驚き目を見開いて占い師を見た。相変わらずフードを被っているのでよく表情はわからないが、
なんだか笑っているように私には見えた。

「ふふ・・・なんでそのことを知っているのか・・・とでも言いたげな顔だね。簡単なことさ、私は占い師だからさ」

なんであのことを知っているのだろう?まさか本当に占いで・・・?

「どうだい?見て欲しい気になっただろぅ?」

占い師の言葉に私は首を縦にふるしかなかった。もっとも、このときの私は状況が良くつかめず、
藁にもすがるような思いで占いをしてもらったというのが本音だ。

占い師は机の上にある、水晶球に両手をかざし、何か力を送るようなしぐさを何回か繰り返した。

「ふむ、まず君の前で飛び降りた子、あの子は生きてる。君の前で飛び降りて見せたのは狂言だったのだろうね」

「なっ・・・!?ちょっと待ってください、私は見たんですよ!?里佳が飛び降りるところを!!」

そう、私は飛び降りるところをこの目でみたのだ。あれは嘘でもまやかしでもなかった。

「なら聞くが君はその里佳ちゃんが飛び降りて地面に落ちるところまで、ちゃんと全部みたのかい?」

!?・・・そうだ、私は飛び降りた瞬間に悲鳴をあげ、気絶した。全てをみてはいない・・・。

「その顔だと一部始終を見てはいないみたいだね。なら、あれが狂言だという可能性も否定できないんじゃないかな?」

そう、この占い師の言う通りだ。あの時屋上にいたのはたしかに私と里佳のみ、里佳が手摺から手を離して落ちるところで私は気絶、
その後里佳が手摺を握りなおそうが何をしようが私にはわからなかったはず。となるとやはり・・・。

「そう、君の考えている通り、あれは狂言、いや、君へのテストだったのかもね」

私へのテスト?一体何のテストだというのか?

「ふふ・・・それに関しては詳しくはいえないな、本人に聞いてみてはどうだろう?」

「・・・ふざけないでください、友達、いえ、親友にそういうことが聞けると思ってるんですか?」

占い師の言葉に私は多少の憤慨を覚えそう反論したが占い師は当たり前のように

「親友だからこそ、聞けることもあるんだよ。それとこれからの君の運勢だがね」

私のこれからの運勢?そういえば元々そういったことを占ってもらった気がする・・・。

「これから君は大きな選択を迫られることになるだろう、それこそ人生に関わるものだ」

なっ・・・!?私の人生に関わること!?・・・随分とスケールが大きくなってきた。

「そしてそのとき君の行動次第で、君の生活も世界観もさらには寿命も決まることになる」

さすがにここまで聞いてると私も馬鹿らしくなってきた。とりあえず里佳の問題のほうが先だ。

「そうですか、どうも、では私、夕飯の支度があるので」

一方的に私は占い師にいうとさっさと席を立ち、路地からでようとする。

「そうか、でも今日のこと、心の片隅にとどめていたほうがいいと私は思うよ」

「いい加減に・・・」

私がそう怒鳴ろうとして振り返ったとき、占い師の姿も形もどこにもなかったのだった・・・。



あのあと、私はしばらく呆然としていたがそこにいても仕方がないので家に帰ることにした。

家に帰り母親のどこに行っていたという質問に生返事を返し私は二階の自室にはいり鞄をほっぽりだしベッドの上に倒れこんだ。

あの占い師が言っていた言葉はほんとなのだろうか・・・だとしたらなんで里佳はあんなことをしたのだろうか?

まだ疑問はある。私が気絶する直前、誰かが屋上にはいってきたような気がした。あれは一体誰だったのだろうか?

・・・それに最後の占い師の言葉・・・これからの私の選択で私の生活も何もかもすべて変わるという・・・ほんとに
そんなことはあるのだろうか?

考えていたら頭が痛くなってきた。考えても埒があかない、こういうときは早目に寝るのが一番だろう。
私は寝る前に里佳が去年の誕生日にくれたCDアルバムを棚からだしそれをかける。

誕生日のとき、私が喜んでCDを受け取ると里佳は「よかった」と言い微笑んでくれた。綺麗な微笑だった。

それが何故あんなことをしたのだろう?いつもならそのCDを聞いているとすぐに眠れるのだが、
そのときは中々眠れず頭の痛みもとれなかった。

「・・・痛い・・・。」

暗闇の中私は呟いたがそれで痛みは引くわけがない。寧ろ余計痛くなってきた・・・。

結局私が寝たのは明けがただった。しかも頭痛はひかずに結局私は今日は学校を休むことにした。
里佳に屋上のことについて聞きたかったのだがしかたがない。

まだ頭痛はするが朝ご飯の後に呑んだ頭痛薬が効いているおかげか今はあまり頭痛はしない。
ふと時計を見るとそろそろ正午になる。私は自室からでて一階のリビングに下りる。

食欲はあまりないが薬は呑まなければいけない。めんどうだがここは何か適当に作るか・・・。

私が何を作ろうかと悩んでいるとインターホンが鳴った。

「・・・宅急便かしら?」

私が玄関のほうへ向かうともう一度鳴った。

「はいはーい、いまでまーす」

私がそういい玄関のドアを開けるとそのときの私にとって思いもよらない相手がドアの前に立っていた。

「・・・里佳!?」

「こんにちは、綾、体調はどう?」

なんと扉の前にいたのは里佳だった。しかし、今は学校のはずだ。何故ここにいるのだろう?

「里佳、学校は・・・?」

「ああ、今日午後の授業自習だって聞いたから、帰ったの、その途中で綾のお見舞いにでもって思って」

いかにも里佳がやりそうなことだった。まぁお見舞いにきてもらって悪い気はしないが・・・いや、いい機会なのかもしれない。

思い切ってあの時のことを聞いてみよう。このときの私はそう思い里佳をあげることにした。

「さ、あがって、外、まだ寒いでしょ?」

「ありがと、それじゃあがらせてもらうわ」

私は里佳をリビングまであげた。リビングにはいると里佳はあたりをみまわしやがてキッチンに向かう。

「え、里佳、何する気なの?」

「その様子だと綾、まだご飯食べてないでしょ?材料買ってきたから、お粥作ってあげようと思って・・・駄目かしら?」

私はその言葉にしばし呆然としていた。それが里佳には私が困っているのだと思い。

「あ、やっぱし他人がキッチンはいるのは問題あった?ごめんね、すぐ・・・」

「あ、いや、そうじゃないの、なんというか・・・その、ごめんね?私なんかのために」

すまなそうな顔をしてキッチンからでようとする里佳を私は慌てて止めた。

「ううん、ぜんぜん構わないわよ、だって私達親友でしょ?」

当たり前のようにそういう里佳。純粋な微笑みで言う彼女に私の胸は一杯になる。

・・・やっぱりあれはただの夢だったのかもしれない。そんな考えが私の頭の中をよぎった。

「ありがとう、里佳・・・。」

「ふふっどういたしまして、じゃあ準備するから座っててくれる?」

「わかった」

私が礼を言うと里佳はとても嬉しそうな顔した、いや、実際に嬉しいのだろう。

この微笑みだけをみたらとても昨日の彼女だとは思えないほどに・・・。

私は彼女のいわれた通り椅子に座り、昼食を静かに待つことにした。

思えばこの時、私は里佳をいれるのを断っていればよかったのではないかと思う。
断っていたらこの後に起こる悲劇は回避できたのだろうから・・・。





「おいしい・・・」

「そう?よかった・・・」

私は里佳が作ってくれたお粥をたべ開口一番そういった。

「うん、これ本当においしい、里佳、料理もできるんだね、知らなかったよ」

里佳と友達になり親友となってから随分たつが料理ができるとは今までしらなかった。

「ええ、簡単なものならね、おかわりどう?」

「ありがと・・・じゃあ少し」

私の言葉に笑顔で答えながら甲斐甲斐しく私の世話をしてくれる。

ふとここで私はあの自殺のみせかけのことについて聞きたくなった。

だけど心のどこかでその質問をするなと警告の音が聞こえる。現に彼女は私の事を甲斐甲斐しくしてくれているではないかと、心の中で声が聞こえる。
でも、その訳をききださないと私はこの先里佳とうまくつきあっていけない気がするのだ。

「ねぇ里佳・・・」

今から言おうとしていることを考えるととても気分が滅入る。一言一言いうたびに私の背中に重石がのしかかってくるような気がした。

「何?気分でも悪くなった?」

そんな私を見て里佳は私の傍へと慌ててやってきて私の顔を覗き込む。

「昨日の放課後、里佳飛び降りようとしたよね?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

その言葉を私が言った途端、世界がザラリとかわった気がした。

そう、まるで今まで必死に止めていたものが溢れだしたかのように・・・。

ダメ、コレイジョウサキヲイッテハイケナイ・・・イマナラマダジョウダンデトオセル!!!

「ねぇ、どうしてあんなことしたの・・・?」

「・・・・・。」

「答えて!!ねぇ里佳!!!」

「・・・・・・。」

私の言葉にも返答をせず俯いたまま、何も返事をしない里佳、私は理性が止めるのも聞かずに里佳を追及する。

「ねぇ!!!黙ってちゃわからないよ!!!りかぁ!!!」

私はそういいんがら里佳の両肩を掴み大きく揺さぶる、何度も、何度も・・・。

「なんで!!!!ねぇお願い!!!!なんであんなことした・・・!?!?!?」

ふいに里佳の両手が私の両手を掴み、揺らすのを止めた。

「なんで・・・」

「え・・・?」

「なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで!!!!!!!!」

「ちょっ・・・里佳・・・?」

まるで録音機のように「なんで」と繰りかえす里佳、その異常さに私は思わず言葉を失い、両手の力もぬけてしまった。

しかし、今度は里佳が私の両手を掴んで離さない。

「なんで・・・私のことを理解してくれないの・・・?」

「え・・・?」

私が里佳のことを理解していない?いいや、そんなことはないはずだ。私は里佳の事を少なからず理解しているつもりだ。それが何故理解していないといわれるのだろう?

「どういうこと!?里佳!?それが何か関係あるの!?!?」

「やっぱし・・・私のこと何にも理解してない・・・」

私の言葉に里佳は顔をあげ私の目を見る・・・その瞳は・・・涙がとめどなく流れていた。

「関係あるよ・・・だって・・・だって・・・」

次の言葉は私の予想をはるかに超えた言葉だった・・・。

「私は・・・綾のことを愛してるのに・・・」




なっ・・・!?

「私は・・・綾、貴女のことを愛してるの・・・!!ずっと前から・・・!!!」

「え・・・その・・・冗談じゃないよ・・・ね?」

私の言葉に里佳は今まで俯いてた顔を上げる、その顔は・・・涙であふれていた・・・。

「嘘じゃない!!私は心の底から貴女のことが好きなの!!!」

今まで聞いた中で一番大きな声が部屋中に轟く。

「ずっと!!小学生の頃から貴女のことを思っていた!!だから一緒の高校にも入学した!!こうやってお見舞いのもきた!!!なのに、なのになのになのに!!!!」

一度大声をだしたら止まらないのか喋り続ける里佳、私はその迫力に負け何も言い返せなかった。

「ねぇ・・・綾、私のことどう思っているの?」

「え・・・?」

「只の親友?友達?それとも他人・・・?ねぇ、お願い答えて・・・」

「それは・・・」

里佳は私にとって一番の親友、そう親友だった・・・でも私は内心里佳のことをどう思っている?好きなのだろうか?それとも嫌いなのだろうか・・・?


「やっぱし・・・」

私が言いよどんでいると、里佳はそういい、その瞳はすごく冷めたものにかわっていた。

「綾って心のどこかで私のこと拒絶してたんだよね?だから・・・私の告白にも答えてくれないんだよね?」

「そうじゃない!!そうじゃないけど・・・!!」

そう、決して里佳や他の友人達を拒絶しているわけではないのだ、只・・・。

「ならなんでよ!!私は告白したよ?その気持ちに答えてよ!!」

そういいながら里佳は突然私に抱きついてきた。

「きゃ・・・!」

その反動で座っていた椅子が倒れ、私は里佳に押し倒された形になる。

「もう・・・親友でいるのは嫌!!綾・・・お願い私と・・・」

そういいながら私の顔に自分の顔を近づけてくる里佳。

「ちょ・・・待って!!里佳落ち着いて・・・」

「もう・・・待っているのは嫌なの」

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私の制止にも答えず里佳は動きを止めず、私の唇まで数cmといったところ・・・このまま突き飛ばしてしまおうかと一瞬頭にそんな考えがよぎる。
だけど里佳のこの思いは純粋だ、私も正面から受け取る義務がある・・・どおする、私はどおすればいい?
このまま受け入れる

やっぱりここは落ち着いてよく話してから・・・。
ここから先は選択性になります。つまり貴方が綾となりここから先の物語をくんでいくのです。
選択によってはこの物語はあっさりと終わるものもあるでしょうし長く続くものもあるでしょう。すべてはあなた次第なのです。
綾とその周りの人々が幸せになるかならないかも貴方次第です。
どおかこの物語に貴方が望む終わりがあることを望みます・・・。
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